専門業者の塗装には、ただDIYでペンキを塗る作業とは違う、確かな技術と技法があります。塗装の目的をはじめ、塗装工法のひとつ、刷毛やローラーを使った手塗り工法を中心にご説明します。
塗装の目的とは?
まず、塗装を何のためにするのでしょうか。その目的はなんでしょうか。塗装といえば、車やガラス工業用品などに塗装材などを塗りつけることをイメージしますが、それだけではありません。いわゆるコーティングの意味合いもあります。下に詳しく見ていきましょう。
装飾目的として
まずはもちろん、イメージに合わせて適切な色を施すことが目的です。色を変えるだけで、いままでのイメージががらりと変わることもあります。
素材を保護する
塗装をすることで素材を保護する役割があります。塗膜を作り、外からの衝撃や汚れから素材を守ります。
付加価値をつける
特別な塗料を使うと、保護だけではなく素材に付加価値をつけることが可能です。たとえば部品などに塗装する場合は防さびの機能を与えたり、家の外壁には耐熱、遮熱機能を付加したり、汚れをつきにくい機能を与えることもできます。また、蛍光機能をもたせたりすることで、安全を確保したりなどさまざまな用途によって素材の価値を高めることが可能です。
このような目的から、美しく均一に塗料をしっかり定着させることが大切だということがわかります。
コーティングと塗装の違いは?
塗装はコーティングする意味合いもあると書きましたが、基本的にはコーティング=塗装ではありません。塗装は、素材感・見た目が変化します。定期的に塗りなおすということではなく、塗装が劣化してきたら上塗りをし続けます。
それに対しコーティングは、素材の保護・付加価値をつけるという目的は同じですが、大きく違うのは、素材感・見た目をいかに変えずに保護をするのかが重要なポイントです。こちらは、見た目で劣化がわかりにくいこともあり、定期的に再コーティングしていくのが効果的です。
たとえば窓ガラスをコーティングする場合、外の景色を眺められるガラスの特性はそのままにコーティングすることによって、耐久性がアップするだけではなく、紫外線や日射の熱を遮断することという付加価値をつけられます。
塗装工法の種類
塗装には、刷毛、ローラーで施す手塗り工法とスプレーガンで施す吹き付け工法があります。それぞれどんな場面が有効なのでしょうか。
作業内容としては、どの道具を使っても
- 下地調整(下地をキレイにする作業・洗浄)
- 下塗り(下地の強化が目的)
- 中塗り(塗料を塗る)
- 上塗り(乾燥させて再度塗る)
の作業を行います。
刷毛・ローラー塗装が有効な場面
手塗りで行うため塗料の飛び散りがほとんどないので、簡単な養生で塗装ができます。しっかり塗料が定着し道具の種類を使い分けることによって、より細かい部分や複雑な形を塗装することが可能です。
場所を選ばずにできる工法ですので、外壁塗装などその場から素材を動かせないものに施すのに向いています。難点は、かなり時間がかかることです。
スプレーガン塗装が有効な場面
広範囲に素早くきれいに塗装するこができますが、塗料の飛び散りが多いため、現場での使用がはばかられるシーンもあります。作業跡がわかりにくいので、補修作業に向いています。
刷毛・ローラー塗装の特徴・道具
次に二つある手塗り工法をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
刷毛(手塗り工法)
最も基本的な方法です。ほとんどの塗料に対応できます。塗料の飛び散りがほぼないので、簡単な養生で塗装ができます。しっかり塗料が定着し、無駄が出ず一番エコな方法でもあるのです。使う刷毛の幅も形も種類があり、塗る場所などによって使い分けをします。
- 平刷毛・・・平らなところで使う平たい刷毛
- 筋交い刷毛・・・隅やはしっこの細かい部分で使う柄が斜めになっている刷毛
- 寸筒刷毛・・・粘度の高い塗料を使う際に使用する、毛量が多く伸ばしやすい刷毛
刷毛の素材も、使う塗料の特性に合わせて変更します。
- 動物の毛のもの・・・馬・豚・羊などの毛
- 合成繊維の毛のもの・・・ナイロンやポリエステルで作られた毛
水性塗料には化学繊維やヤギの毛のやわらかい刷毛が向いています。白い毛をしていることが多いです。油性塗料には、塗料の含みがよいしっかりした刷毛を選びます。動物の毛が向いていて黒い毛をしていることが多いです。こうしてさまざまな用途によって相性の良い刷毛を見極めて使用します。
ローラー(手塗り工法)
刷毛の難点は、時間がかなりかかることです。そこで登場するのがこのローラーです。
ローラーとは、芯になる筒に毛や繊維を巻きつけたものとなっています。こちらも塗料を塗る際の飛び散りが少ないので汚したくないものがある場所の塗装に向いています。平らな広い面を塗り重ねることで、刷毛より簡単に均一に塗装することが可能です。また、ローラーにも種類があります。
- ウールローラー・・・長毛、中毛、短毛と種類があり、一般的に平らで滑らかな仕上がりにする場合は短毛のローラー、凹凸に対応するには長毛のローラーを使用します。
- 砂骨ローラー・・・厚塗り用のローラーです。 厚塗り用のどろどろとした塗料を大量に取り込むことが可能です。
その他刷毛と同じく、場面や箇所で使い分けのできる特殊なローラーが存在しています。適切なものを選んでいくことがこちらも重要です。刷毛、ローラーそして場合によってはスプレーを使い分け、塗装の目的をきちんと果たすためにどれも熟練の技術が必要になってきます。
まとめ
塗装の目的をはじめ、塗装の工法のうち、現場での塗装で使われる手塗り工法について掘り下げてみました。
「コーティングワークス柳平」では今回ご紹介した刷毛やローラーを使った塗装をプロの確かな技術で対応可能です。それだけではなく、少し上記でも触れました窓ガラスコーティングも行っております。すべての塗装・窓ガラスコーティングに関して専門のスタッフが対応しておりますので、ぜひご相談、お問い合わせください。